自閉スペクトラム症の謎に挑み、未来の治療を切り拓く
研究概要
自閉スペクトラム症(以下、ASD)は、コミュニケーションの困難さや、こだわりの強い行動や興味を特徴とする発達障害です。その原因解明と治療法の開発は、長年にわたり社会的に強く求められてきました。近年の大規模なゲノム解析により、CHD8というクロマチンリモデリング因子が、ASDの最も有力な原因候補遺伝子として特定されました。この発見は、科学界に大きなインパクトを与えています。
私たちは、ヒトASD患者におけるCHD8の変異を再現したモデルマウスを作製し、このマウスがASD様の行動特性を示すことを確認しました。この成果は、世界的な権威ある学術誌「Nature」にも掲載されました [Nature 537: 675 (2016)]。現在、このモデルマウスを活用し、ASDの発症メカニズムを詳しく解明するとともに、新しい治療法の開発を目指して研究を進めています。
さらに、私たちはASDの特性を「個性」として捉え、未来を担う子どもたちが健康で安全に、そして安心して暮らせる社会を築くことを目標としています。これにより、うつ病などの二次障害を予防し、すべての子どもたちがその可能性を最大限に発揮できる社会を実現したいと考えています。
私たちの研究と活動には、皆様の温かいご支援が必要不可欠です。皆様の寄付が、子どもたちの明るい未来を切り拓く原動力となります。ぜひ、未来の子どもたちのために力を貸していただけませんか?