研究内容
能登の豪雨災害を二度と起こさないために
令和6年9月に能登半島を襲った豪雨災害は、線状降水帯の発達により、通常では考えられない多量の降水のために起こったとされています。線状降水帯は、能登地域特有のものではなく、全国どこでも起こりえる自然現象です。このような悲惨な災害を二度と行いように、水害に適応した街づくりが必要です。
私たちの研究グループでは,気象学・気候学・水文学など自然科学的な手法と, 河川工学・流域計画などの工学的手法によるアプローチを用いて, 水災害や河川環境に関する研究に取り組んでいます.誰にでも身近な存在である河川について学び,より深い知識を持って,より良い河川環境・流域・街づくりを目指します.
洪水氾濫発生時のリスク評価と減災対策に関する研究
地球温暖化に伴う気候変化によって,極端な大雨のさらなる強化や台風の強大化などが懸念されています.
今後,観測史上最大規模の降雨などによって堤防が破壊された場合,どのように洪水氾濫が広がっていくのか,それによってどのような被害が生じるのかを推定することは,洪水対策を検討する上で欠かせません.
私たちの研究グループでは,コンピュータシミュレーションによって,大雨発生時の河川流量や,その際に破堤が生じた際の浸水深分布の推定を行っています.また,浸水発生時の経済損失の評価にも取り組んでいます.
さらに,破堤発生時の氾濫流をコントロールする方法を検討し,コンピュータシミュレーションによりその効果を評価したり,水災害リスクの高い地域から安全な地域への移転や,人口減少下における都市構造変化が生じた際の経済損失の変化など,都市計画的な視点から水災害研究を進めています.
降雨予測精度向上に関する研究
安全な河川管理や水資源利用には,河川流量やダム貯水量,山に積る積雪量といった情報が不可欠です. そして,そのためには気象予測精度の向上が不可欠です.気象予測のためには,数値モデルと,初期値や境界条件を与える様々な観測データ,さらに数値モデルと観測データをつなぐ「データ同化」という技術が必要です. データ同化では,様々なデータが同化対象とされますが,私たちのグループでは地球観測衛星に搭載されたマイクロ波放射計による観測データの同化手法の開発・高度化に取り組んできました.
近年の気象予測は,複数の予測を行い,その平均値や最大値等を活用する「アンサンブル予測」という手法が取り入れられています.私たちのグループでも,高時間・空間解像度を有するアンサンブル降雨予測情報の生成や,データ同化手法を活用した高精度化に取り組んでいます.
気象・気候メカニズムに関する研究
私たちの身の周りの水環境は日々の気象状況に影響を受けます.
ある豪雨・豪雪がどのような気象メカニズムによってもたらされたものであるのか,ある地域の気候特性はどのようなメカニズムによってもたらされているものであるのを理解することは,水循環を理解し,安全な生活のための治水を実践したり,水資源を有効に活用するために不可欠です.
私たちのグループでは,再解析データ(様々な観測データと気象モデルにより作成された気象データ),衛星観測データ,現地観測データなどを用いた解析を行ったり,数値気象モデルを用いて解析から得られた仮説を検証するなどして気象現象のメカニズム理解や気候メカニズムの解明にも取り組んでいます.