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震災・防災

豪雨災害から社会を守る:地球環境と社会の変化を考慮した水災害適応型社会の実現

谷口 健司 教授 タニグチ ケンジ
所属
金沢大学 理工学域
研究分野
水工学
キーワード
河川工学(洪水や氾濫のシミュレーション,大雨災害に関するリスクと対策の評価,人口減少や都市構造変化と水害),水文気象学(温暖化の影響評価,降雨予測精度向上)

 私たちは水災害に適応した強い社会・地域づくりの実現を目指しています。能登で起きた悲惨な豪雨災害が二度と繰り返されることのないように、地域自治体、地域住民とともに水害に強い街づくり、地域の復興に貢献します。

 近年、地球温暖化による気候変化に伴い,大雨の激甚化や頻発化,それに伴う大規模洪水の発生が懸念されています.また,我が国においては今後人口減少が進むことが想定されており,都市構造変化も予測されます.
 本活動では、地球環境の変化により,将来の大雨がどのように変化するかを明らかにし,気候変化下での河川の氾濫や土地の浸水について推定を行うとともに,社会構造が変化した際の経済損失や避難困難度といった水災害リスクの評価を行います.さらに,氾濫制御施設や遊水地の建設といったハード対策や,人口減少下における居住地移転や土地利用の変更などの都市計画的施策による被害軽減効果の評価を行い,有効な水災害対策を考究します.

 また,リアルタイムでの水災害対策に資する降雨予測情報の構築と活用に関する研究にも取り組みます.
 安心・安全な社会の実現に向けて、ご協力のほどをよろしくお願いいたします。


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谷口 健司 教授 タニグチ ケンジ
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研究内容

能登の豪雨災害を二度と起こさないために

 令和6年9月に能登半島を襲った豪雨災害は、線状降水帯の発達により、通常では考えられない多量の降水のために起こったとされています。線状降水帯は、能登地域特有のものではなく、全国どこでも起こりえる自然現象です。このような悲惨な災害を二度と行いように、水害に適応した街づくりが必要です。

 私たちの研究グループでは,気象学・気候学・水文学など自然科学的な手法と, 河川工学・流域計画などの工学的手法によるアプローチを用いて, 水災害や河川環境に関する研究に取り組んでいます.誰にでも身近な存在である河川について学び,より深い知識を持って,より良い河川環境・流域・街づくりを目指します.

洪水氾濫発生時のリスク評価と減災対策に関する研究

 地球温暖化に伴う気候変化によって,極端な大雨のさらなる強化や台風の強大化などが懸念されています.
今後,観測史上最大規模の降雨などによって堤防が破壊された場合,どのように洪水氾濫が広がっていくのか,それによってどのような被害が生じるのかを推定することは,洪水対策を検討する上で欠かせません.
 私たちの研究グループでは,コンピュータシミュレーションによって,大雨発生時の河川流量や,その際に破堤が生じた際の浸水深分布の推定を行っています.また,浸水発生時の経済損失の評価にも取り組んでいます.

 さらに,破堤発生時の氾濫流をコントロールする方法を検討し,コンピュータシミュレーションによりその効果を評価したり,水災害リスクの高い地域から安全な地域への移転や,人口減少下における都市構造変化が生じた際の経済損失の変化など,都市計画的な視点から水災害研究を進めています.

降雨予測精度向上に関する研究

 安全な河川管理や水資源利用には,河川流量やダム貯水量,山に積る積雪量といった情報が不可欠です. そして,そのためには気象予測精度の向上が不可欠です.気象予測のためには,数値モデルと,初期値や境界条件を与える様々な観測データ,さらに数値モデルと観測データをつなぐ「データ同化」という技術が必要です. データ同化では,様々なデータが同化対象とされますが,私たちのグループでは地球観測衛星に搭載されたマイクロ波放射計による観測データの同化手法の開発・高度化に取り組んできました.
 近年の気象予測は,複数の予測を行い,その平均値や最大値等を活用する「アンサンブル予測」という手法が取り入れられています.私たちのグループでも,高時間・空間解像度を有するアンサンブル降雨予測情報の生成や,データ同化手法を活用した高精度化に取り組んでいます.

気象・気候メカニズムに関する研究

 私たちの身の周りの水環境は日々の気象状況に影響を受けます.
 ある豪雨・豪雪がどのような気象メカニズムによってもたらされたものであるのか,ある地域の気候特性はどのようなメカニズムによってもたらされているものであるのを理解することは,水循環を理解し,安全な生活のための治水を実践したり,水資源を有効に活用するために不可欠です.
 私たちのグループでは,再解析データ(様々な観測データと気象モデルにより作成された気象データ),衛星観測データ,現地観測データなどを用いた解析を行ったり,数値気象モデルを用いて解析から得られた仮説を検証するなどして気象現象のメカニズム理解や気候メカニズムの解明にも取り組んでいます.