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医療

マラリア感染症の撲滅に挑む:三日熱マラリアワクチンの開発

山本 祐太朗 助教 ヤマモト ユウタロウ
所属
金沢大学 医薬保健学域 薬学系 ワクチン・免疫科学研究室
研究分野
寄生虫学
キーワード
感染症、ワクチン、マラリア

 マラリアは、ハマダラカが媒介する感染症で発展途上国を中心に年間2億人以上が感染し、その内60万人が亡くなっています。マラリアは治療の困難さに加え、致死率の高さや感染拡大が大きな課題であり、根本的な解決策としてワクチン開発が強く求められています。しかし現在でも有効の高いワクチンは存在しません。
 
 私はマラリア撲滅を目指し、感染防御効果(感染を未然に防ぐ)、伝搬阻止効果(他者への感染も遮断する)の両方を備えた「マルチステージワクチン」の開発に取り組んでいます。
 
 これまでの3年間でマラリア流行地域であるブラジル・マナウスへ渡航し、ワクチンの有効性を評価した結果、感染防御効果100%、伝搬阻止効果95%以上と非常に有望な結果を得ております。現在、実用化に向けて必要不可欠な前臨床試験を進めています。
 
 マラリア感染症撲滅のための研究をさらに推進するために、研究への寄付のご協力のほど、よろしくお願いいたします。


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山本 祐太朗 助教 ヤマモト ユウタロウ
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研究内容

マラリアワクチンの開発

 マラリアは、ハマダラカが媒介する感染症です。熱帯・亜熱帯地域で流行していて、年間約2億2000万人が感染し、そのうち45万人が亡くなっています。そんななか2021年に英製薬大手グラクソ・スミスクラインのRTS,Sが、初のマラリアワクチンとして世界保健機関(WHO)に承認されました。今後は、ワクチンの有効性や持続性を向上させることが課題とされています。

 マラリア原虫はヒトの体内で増殖し、その血をハマダラカが吸うことで感染を広めます。当研究室ではこれらの各ステージに着目し、ヒトへの感染を防御するとともにハマダラカによる伝播を阻止するワクチンの開発をめざしています。有効性や作用機序を動物モデルを使って明らかにし、臨床への応用を実現したいと考えています。

グローバル・パートナーシップの活性化

 マラリアの研究に関連した二国間交流事業をオックスフォード大学(世界大学ランキング2023、1位)、インペリアル・カレッジ・ロンドン(10位)と10年以上継続的に実施しており、2020年度からはケンブリッジ大学(3位)とも実施しています。

 世界トップランクの大学との国際共同研究に学生の参加を促し、グローバル・パートナーシップの活性化を推進しています。薬学研究機関として類を見ない先駆的なワクチン研究を学生と取り組んでいます。