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ライフサイエンス

XR/AI技術を用いた未来型生体情報内科学:革新的診断技術と教育ツールの開発

唐島 成宙 准教授 カラシマ シゲヒロ
所属
金沢大学 国際基幹教育院 GS教育系
研究分野
代謝、内分泌学
キーワード
生体情報内科学、内分泌学、代謝学

私は長年にわたり、医師として内分泌代謝疾患の診断と治療を手掛けてきました。研究面では、海外留学中に質量分析計を用いた網羅的測定方法を習得し、これを基に革新的な解析手法を開発し報告しています。2022年には、難治性副腎疾患に関する大規模研究を通じて、AIを用いた疾患予測アルゴリズムを開発し、その高い予測精度で注目を集めました。私は医療AI研究の専門家として、他の多くの診療科や学術分野との融合研究にも積極的に参加しています。また、VRやAIを活用した教育ツールの開発に尽力し、一般市民にも生活習慣病の予防と管理の知識を広めることを目指しています。

〇研究課題
・マルチオミクス、ウエアラブルデバイスを活用した革新的診断予測支援ツールの開発
・マルチデバイス対応医療教育支援プログラムの開発
・健康経営と災害医療の効率化を目的とした領域特化型AIサービスの構築
・総合大学の資源を活用した文理医融合による地域医療の問題解決
 未来の医療ってどんなものを想像しますか?私の研究は、教育、研究、臨床の各分野での実績を通じて、医療の未来を創造することを目指しています。


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唐島 成宙 准教授 カラシマ シゲヒロ
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研究内容

医学と最先端技術の融合を通じて、未来の医療をつくる。

医療の課題を解決する手段としてAIに高い期待が寄せられています。唐島成宙准教授は、内分泌代謝の専門医として臨床で患者さんに向き合う傍ら、医療AIの研究にも携わってきた経歴の持ち主です。こうしたバックグラウンドを強みに、現在は金沢大学で異分野融合研究や市民の健康リテラシー向上につながる研究に取り組んでいます。

病院の医師から、大学の研究者・教育者へ

私の専門は内分泌代謝学です。以前は、金沢大学附属病院で内分泌代謝と糖尿病の専門医・指導医として患者さんに向き合い、診断や治療にあたっていました。研究面では、海外留学中に質量分析計を用いたマルチオミクス解析法を習得し、これをもとに革新的な解析手法を開発した実績があります。

高血圧や糖尿病などの生活習慣病に関する研究に加え、近年は医療・ヘルスケア領域でAI(人工知能)や、VR(仮想現実)を含むXR(クロスリアリティ)などの先端技術を活用した研究にも注力しています。

「予防」につながる疾患予測プログラムを開発

機械学習や深層学習が発達した現在、AIの技術は飛躍的に進歩しています。医療分野には人口集団ごとの各種データや、症例履歴、検査画像データなど膨大なデータが存在しており、AIを活用することで業務の効率化や医療費の削減、地域社会の健康格差の解消、診断精度の向上などにつながると期待されています。

私自身は、医療ビッグデータなど最新の科学技術を活用した疾患予測アルゴリズムや、画像認識技術を活用した診断支援システムの構築に取り組んでいます。中でも壮年期を中⼼とした特定健診データをもとに、AIを⽤いて⽣活習慣病や⼼⾎管疾患の発症を予測するアルゴリズムを構築する研究では、従来の一律的な手法を超える成果を上げています。こうした研究は、健康寿命の延伸と生活習慣病予防を目標として厚生労働省が展開する「健康日本21(第3次)」に貢献し、“誰も取り残されない医療”を実現するものだと自負しています。

ゲームの要素を取り入れ、健康リテラシーを向上

VRやXRについてはエンタメ分野での展開が思い浮かびますが、医療・ヘルスケアの領域とも相性が良く、医療従事者向け、患者向け、医学生向けなど、さまざまな切り口でVRコンテンツが開発されています。

私が着目しているのは健康教育の分野です。情報過多な現代社会では、健康や医療に関する正しい情報を見分け、理解し、活用する能力=健康リテラシーが重要です。生活習慣病に関する健康リテラシー向上を目的として開発したのが「糖尿病クイズアドベンチャーゲーム」です。このVRゲームは、子どもから高齢者まで幅広い年齢層が対象としており、楽しみながら健康知識を習得できます。あわせてVRゴーグルでアクセスし、栄養士AIにバーチャルで健康相談ができる「XRクリニック(仮)」の開発も行いました。

これらのコンテンツは日本海側最大のICTビジネスショー「e-messe kanazawa2024」に大学発のVR教材として出展し、子どもから年配の方まで幅広い世代の市民に体験してもらいました。健康教育におけるゲーミフィケーションの効果を学術的に報告する計画も進行中です。

学生と一緒に健康リテラシーを楽しく学べるVRゲームを開発

異分野融合で社会課題の解決に取り組む

臨床現場から大学の研究・教育現場へと転向したことが、私のキャリアの大きな節目になりました。

金沢大学は多様な分野を有する総合大学であり、私が所属する国際基幹教育院は、全学域の学生の基礎教育を担っています。研究者として自身の研究テーマを追究するだけでなく、人文社会科学、自然科学、生命科学などさまざまな分野の研究者と連携して地域医療の課題解決に取り組む、あるいは教育者として学生の可能性を見つけ伸ばす、といったことが私が果たすべき役割だと感じています。実際、研究成果の多くは、異分野の研究者や学生と一緒につくりあげたものです。

若い学生のポテンシャルや、“夢を見る力”には大きな期待を持っており、彼、彼女らが学域の枠を超えて夢に挑戦できる環境をいかに提供するかに心を砕いています。学生とディスカッションする中で研究のアイデアが得らえることもあります。また、医学と先端技術の融合という、私がやってきた研究の方向性を学生が受け継ぎ、新しい医療のかたちを実現していく未来を想像することは楽しいものです。

学域の枠を超えたディスカッションは、新たな可能性発見の場でもある