古代人の起源をパレオゲノミクスで解明する〜1万人パレオゲノミクスプロジェクト〜

覚張 隆史 准教授
金沢大学
古代文明・文化資源学研究所

研究分野: 考古科学、考古分子生物学、文化財科学、馬学

研究概要

パレオゲノミクス(古ゲノム学)は、過去の人類集団の起源研究に大きな成果をもたらし、人類学・考古学の枠組みを超えて、新たな仮説を生み出すポテンシャルを有している。
近年では、遺跡から出土する人骨を全てゲノム解析して、血縁関係や他地域からの移入など、「1個体の歴史性(ライフヒストリー)」の復元が重要視されてきた。しかし、近年日本で進められているパレオゲノミクスはまだ数百個体程度のゲノム解析しかできておらず、現代人ゲノム研究並みの1万人〜10万人規模での比較解析ができていないのが現状である。
本プロジェクトは、この1万人パレオゲノミクスプロジェクトを達成することで、日本列島人の過去から現代までのヒトのつながりを可視化させるだけでなく、日本列島人特有の過去から受け継がれた遺伝的遺産(Genetic Legacy)を特定し、疾病リスクや感染症の重症化リスクなどの医学的に有益な情報のアーカイブ化を目指すものである。そこには、これまでの現代人ゲノムデータの解析だけではわからない、過去の「新たな真実」が発掘されると期待される。日本列島人とは何者なのか?客観的な評価に基づいた大規模パレオゲノミクス研究が展開される。

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